のほほ~んと

色々あるけど のんびり のほほんと歩きたい

花火がない夏

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毎年 

夏になると田舎の本家(おばあちゃん家)に親戚が集まり 

ご仏壇の前でごちそうを食べ 

縁側で西瓜を食べた

 

夜になると町の中心で花火が上がる

 

蚊取り線香をつけて

ゴザを敷いて

団扇で涼をとりながら花火を見る

 

花火が上がる度 その光は皆の明るい笑顔を照らし出した。

 

大きな子等はアイフォンをいじりながら 時折手を休めて見ていた。

 

まだ小さな姪っ子はその大きな花火の音量に驚きしがみついてくる。

ドン ドンと音がする都度にビクンビクンと怯え一層しがみついてくる。

 

「大丈夫、大丈夫、怖くないよ」と

半べそをかいている子の背中を トントンたたきながら

伝わってくる熱い体温を感じながら

いつしか胸で眠りについたその子を そうっとお布団に運んだ。

 

大人達は ビールを飲みながら

焼き鳥や さきイカを食べながら

いつしか世間話に花が咲く 

笑い声がいつまでも響く

 

賑やかないつもの あの夏の風景が今年はない

 

ソーシャルディスタンスで人肌のぬくもりも直接感じられない

花火がない夏

 

 

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

お休みなさい。